TopPage 栽培管理のポイント
 
化成肥料の施用
 

1 肥料は高度化成肥料(N・P・K 14-14-14)を使用。
 
 この肥料にはN(窒素)、P(リン酸)、K(カリウム)の肥料三要素が、いずれも肥料重量の14%含まれている。

2 肥料の三要素の働き
 N(窒素) タンパク質の材料で、主に植物を大きく生長させる作用がある。特に葉を大きくさせるため「葉肥(はごえ)」と呼ばれる。
 P(リン酸) 主に開花・結実に関係し、「花肥(はなごえ)」又は「実肥(みごえ)」と呼ばれる。
 K(カリウム) 主に根の発育と細胞間の浸透圧調整に関係するため、「根肥(ねごえ)」と呼ばれる。

3 基肥はN(窒素) 10g/㎡を基本としている
 高度化成肥料(N・P・K 14-14-14)を70g/㎡施用すると、N(窒素)を10g/㎡施用したことになる。
  
   
     
 高度化成肥料  高度化成肥料を70g/㎡施用  白い粒が化成肥料

4 (窒素)施用量を少なくした方が良い野菜がある

(1)サツマイモは・0g/㎡
 サツマイモは土壌中の肥料成分を吸収する能力が高い上、最近の研究で体内に生息する窒素固定能力のある細菌類(エンドファイト)と共生して、空気中の窒素を利用していることが明らかになってきている。
 サツマイモは成分が多いと、ツルばかりが繁茂してイモが肥大しない「ツルボケ」現象を起こしやすいので、大学農園では化成肥料は施用していない。(堆肥は施用)
   
 「ツルボケ」したサツマイモ  茎葉は繁茂している

(2)ジャガイモはN・7g/㎡
 ジャガイモは窒素が多いと、茎長が1m以上に伸びて繁茂し、イモの内部に蓄積するデンプンが不足して、ホクホクしない「水っぽいイモ」になるため、化成肥料をやや少なく施用している。

(3)マメ類はN・5g/㎡
 マメ類は根についた窒素固定能力のある根粒菌(細菌)と共生して、空気中の窒素を利用するため、化成肥料は少なく施用している。
     
 エダマメの根粒  根粒(直径5mm)  根粒の断面

5 果菜類は、20日おきに追肥
 トマト、ミニトマト、ナス、ピーマン、キュウリ等の生育が早くて果実が多くなる果菜類は、草勢を維持するため、15日~20日おきに追肥を行う。
 施肥量は1株当たり高度化成肥料の大さじ1杯を標準として、株の大きさにより加減する。

(事例)ミニトマトは、生育が非常に早い 
     
 5月10日  5月20日  6月7日