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その他の糸状菌による病害

1 多犯性の糸状菌による病害
 一つの病原菌が、多種の農作物に感染するもの

病名 病原菌 農作物 被害 多発生
条件
灰色かび病 Botrytis cinerea 多くの野菜や花 果実、葉、茎に灰色かびを生じる。
(薬剤耐性がつきやすい)
多湿、20〜25℃の気温
菌核病 Sclerotinia sclerotiorum 多くの野菜や花 果実、葉、茎に白色のかびを生じ、黒色の菌核に成長する。 多湿、17℃前後の気温

キュウリ灰色かび病 キュウリ菌核病 キャベツ菌核病

2 病名は同じでも病原菌が異なる病害
病名 病原菌 被害 多発生
条件
うどんこ病 Sphaerotheca属(イチゴ、ウリ科、キク科では種名が異なる)
Erysiphe属(ナス、ニンジン、サヤエンドウでは種名が異なる)
Phyllactinia属(ナシ、カキでは種名が異なる)
葉にうどん粉状のかびを生じる。
イチゴは果実にも発病する。
やや乾燥気味
(えき) Phytophthora属(トマト・ジャガイモは同じ種、カボチャ・ナス・ピーマンは同じ種、ナシ、イチジクはそれぞれ別種) 葉、果実に褐色大型斑点を生じる 多雨、排水不良
炭疽(たんそ) Colletotrichum属(ウリ類は同じ種、ダイズ、チャ、プルーンはそれぞれ別種)
Glomerella属(イチゴ、カキ、イチジクは同じ種)
イチゴでは葉及びランナー、果樹では果実に楕円形病斑を生じ、多湿時には鮭肉色のかびを生じる。。 多雨
べと病 Pseudoperonospora属(ウリ科)
Peronospora属(アブラナ科、ネギ科、ホウレンソウ、シュンギクはそれぞれ別種)
PLasmopara属(ブドウ)
葉に葉脈で区切られた黄色病斑、葉裏にかびを生じる。 多湿

キュウリうどんこ病 ナシうどんこ病 トマト疫病
イチゴ炭疽病 プルーン炭疽病 キュウリべと病

3 薬剤散布上の留意事項
(1)殺菌剤は予防効果が中心であるため、定期的に薬剤散布を行う。

(2)発病前及び発病初期は、広範囲の病害に効果のある農薬を使用する。

(3)病徴が進展した場合は、それぞれの病害に特効のある農薬(予防+治療効果がある)を使用する。  

(4)農薬耐性菌を発生させないため、同一系統の薬剤は連用しないようにする。

4 耕種的防除対策
 ア 炭疽(たんそ)病は、イチゴでは特に感染しやすいため、全生育期間に雨よけ及び灌水チューブの設置が必要である。

 プルーンも感染しやすいため、雨よけが必要である。

イチゴの雨よけ施設 プルーンの雨よけ施設


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