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性フェロモン剤の活用 |
1 性フェロモン剤とは 害虫の雌が放出する性フェロモン(誘引物質)と同じ成分を化学合成し、ポリエチレン製の細いチューブに封入した「交信かく乱用フェロモン剤」が市販されている。 このチューブからは、雌の性フェロモンの数万倍の濃度が継続的(4〜5ヶ月)に空気中に放出され、その周囲において、雄が雌を探して交尾する行動を阻害する。 フェロモンは空気より重いため、設置場所の下部に滞留し、ナシ園のように周囲が防風ネットで囲まれ、空気が動きにくい場所では特に効果が高い。 ナシではシンクイムシ類・ハマキムシ類が大きな被害を及ぼすため、これらの害虫の性フェロモンを封入した「コンフューザーN」が多くのナシ園に設置され、安定的な防除効果をあげている。 経費が10a当たり1万円程度かかるため、防除期間が長く、10a当たりの収益が高い果樹での活用は進んでいるが、野菜等では@採算面で合わない、A枝のある果樹と異なり設置に手間がかかる等の問題点が多く、導入が進んでいない。
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