TopPage 栽培管理のポイント
 
黒マルチの活用
 

1 黒マルチは雑草防除効果が高い
 大学農園では、職員が試食又は学生のお持ち帰り用に栽培する野菜は、雑草防除を主目的として、すべて黒マルチを張って栽培している。
 通路に生える雑草は、立鎌で除草したり、除草剤を散布して防除できるが、野菜の間に生えた雑草は手又は手鎌で抜き取るしかないので、大変手間がかかるからである。
   
 野菜の間の雑草は抜きにくい  黒マルチは確実に雑草防除できる

2 地温を高め、生育を早める効果がある
 
同じ日に植え付けたジャガイモの初期生育は、地温の上昇により5~7日早まる。

 ただし、ジャガイモは生育適温が15~25℃で、30℃以上の高温になると株が枯れ始め、大学農園の事例では、黒マルチを張った畑では、高温性(34℃が適温)のフザリウム菌による「ジャガイモ乾腐病」の発生が特に多かったので、6月に入ったら黒マルチを取り除いた方が良い。 
     
4月26日 黒マルチ無し(左)と
有り(右) で生育の差が大きい
 7月上旬 黒マルチ畑では乾腐病の発生が多かった 

3 土壌の乾燥を防ぐ保湿効果がある
 
雨が降らない状態が続いても、水分の蒸散を大幅に抑制するため、土壌は湿った状態が保たれる。

4 雨により土壌が硬くなるのを防ぐため、ジャガイモやサツマイモの収穫が素早く行える 
大学農園は黒ボク土で土が軽いため、ジャガイモやサツマイモの収穫は、手掘りで行える。
   
 サツマイモの手掘り サツマイモがツルに付いたまま収穫できる

5 雨による土の跳ね上がりが防止できるため、土壌伝染性の病害の発生を抑制できる。
   
 カボチャ疫病(土はね伝染)  ナス褐色腐敗病(土はね伝染)

6 雨による肥料成分の流亡を抑制できる


7 使いやすい穴あきマルチ(幅95cm)と対象野菜
(1) 1条、株間30cm
  エンサイ、カボチャ、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ、スイカ、ズッキーニ、トウガン、ナス、ピーマン、モロヘイヤ、ヤーコン、ルバーブ

(2) 2条、株間30cm
  アズキ、イチゴ、インゲン、エダマメ、オクラ、カリフラワー、キャベツ、キュウリ、サヤエンドウ、シカクマメ、シソ、ソラマメ、ダイコン、トウモロコシ、トマト、ハクサイ、ブロッコリー、ラッカセイ

(3) 5条、株間15cm
  カブ、コマツナ、シュンギク、タマネギ、チンゲンサイ、ニラ、ニンニク、ホウレンソウ、ミツバ、ミズナ、ラッキョウ、ルッコラ、レタス類